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「俺は他人に運命を握られてきた...もうたくさんだ」
―ヘクター・バルボッサ[出典]

ヘクター・バルボッサ(Hector Barbossa)とは、カリブの獰猛な伝説の海賊でありカスピ海海賊長である。怪しい道徳観を持つキャプテンで、から復活した卑しい海賊であるバルボッサは自らの運命を支配する強力な戦士である。残虐にして狡猾、恐れを知らない大胆さに経験を併せ持つバルボッサはキャプテン・ジャック・スパロウの最大の敵であった。

若い頃、バルボッサは真っ当な船乗りであったが、海賊としてより安易な道を選んだ。もともとスクーナー船<コブラ号>のキャプテンであったが一等航海士としてジャック・スパロウの<ブラックパール号>の一員に加わった。しばらくはスパロウの指揮に従っていたバルボッサだったがイスラ・デ・ムエルタコルテスの宝を見つける前に反乱を起こし、スパロウを孤島に置き去りにした。詳細は定かではないが、バルボッサはこの後、前任の海賊長から8レアル銀貨を手に入れカスピ海海賊長に就任した。アステカの呪いにかかったバルボッサと乗組員たちは呪いを解くため浪費した金貨を探しまわる羽目になる。10年後、乗組員であったブーツストラップ・ビルの息子ウィル・ターナーによって呪いは解かれ、バルボッサはかつてのキャプテン、ジャック・スパロウによって殺害された。

死でさえもキャプテン・バルボッサの本当の最期ではなかった。彼は女神カリプソの人間の姿であるティア・ダルマによって生者の世界に蘇る。彼女はバルボッサを蘇らせる代わりに自分を人間の体から解放するよう要求した。ジャック・スパロウをデイヴィ・ジョーンズ・ロッカーから救出したバルボッサは、デイヴィ・ジョーンズと<フライング・ダッチマン号>を制御するカトラー・ベケット卿と対決すべく評議会を招集した。この出来事の後、バルボッサは黒ひげの攻撃により右足と<ブラックパール号>を失い国王ジョージ2世に忠誠を誓って公賊へと変化を遂げた。HMS<プロヴィデンス号>の指揮を任されたバルボッサは生命の泉捜索に加わって黒ひげへの復讐の機会をうかがいつつジャック・スパロウと再会する。

経歴

生い立ち

ほとんどの海賊と同じくバルボッサもイングランドのウェスト・カントリー出身で、母親はアイルランド人であった。父親については全く不明であるが、苗字からポルトガルやスペイン系であると考えることもできる。バルボッサが海賊に身を投じる前のことは謎に包まれているが貧困という背景から13歳で海に逃げ出したことがわかっている。まっとうな船乗りでいるよりもルールを破った方が得るものが大きいと知った彼は狡猾なならず者へと変貌を遂げた。

海賊

最初の指令

HectorWanted

ヘクター・バルボッサの手配書

バルボッサの初期の冒険についてはあまり知られていないが彼が有能な海賊であったことはわかっている。40代前半にして彼は小型スクーナー<コブラ号>のキャプテンを務めていた。バミューダ北部の海で象牙を積んだフランスのバーク船を略奪した<コブラ号>は別の海賊船から襲撃を受ける。船は沈没しバルボッサは溺死しかけたがふたりの乗組員、ピンテルラゲッティによって命を救われた。2ヶ月後、バルボッサと乗組員はトルトゥーガにてカリブ海賊長ドンラファエルに雇われた。ドン・ラファエルは彼らを難破船入り江へと連れて行き、そこでバルボッサが自身の船に起きた悲劇について集まった海賊に話して聞かせた。この会合においてバルボッサは初めてジャック・スパロウに会った。

難破船入り江

数ヵ月後、ジャック・スパロウが<コブラ号>を沈めた船を解明した。それはバルボッサの旧友にしてカスピ海海賊長、ロシア人海賊ボリス・"ボルヤ"・パラチニクの<コルダーニャ号>であった。ジャックはすぐにこの情報を伝え、バルボッサは<コルダーニャ号>がはぐれ海賊船であると確認した。掟の番人、キャプテン・エドワード・ティーグとドン・ラファエルが甲板に集い、ボルヤの船の捜索に乗り出した。

その後、ティーグが調査のための正式な召集をかけ海賊長たちが海賊の館に集合した。会合において証人たちがそれぞれ証言を行ったがボルヤと特定するには根拠が薄かった。ティーグは海の支配者デイヴィ・ジョーンズを呼び出すことに決めた。評議会は魔法を用いて海の王国で起きたことをすべて知っているジョーンズをティーグの船<トルバドゥール号>に召喚した。ボルヤの罪について訊かれたジョーンズは、彼こそがはぐれ海賊であり彼とその部下たちが容赦なく魂を海底に送り込んでいると話した。

銀貨の受領

ボルヤと部下たちは皆捕獲され絞首刑が言い渡された。ボルヤはまた、彼の指揮下にいたはぐれ海賊のひとり、<ラ・ヴィペール号>キャプテン・クリストフ=ジュリアン・ド・レイピアについても白状した。このフランスの海賊と乗組員たちもすぐに投獄された。数日後、バルボッサが牢屋を訪ねるとボルヤは船を破壊したことを謝罪した。さらにボルヤは、彼が持つもっとも貴重な海賊長としての証、8レアル銀貨である木の塊をバルボッサに渡しカスピ海の新たな海賊長に任命した。しかしこのときバルボッサは8レアル銀貨の意味を知らずボルヤもその重要性について説明をしなかった。彼はバルボッサを船なしのキャプテンにすることを防ぐため、<コブラ号>の代償として<コルダーニャ号>を譲り渡すことを約束した。

数時間後、バルボッサは酒場でジャック・スパロウとドン・ラファエルの孫エスメラルダに会い、ボリスからもらった木片を見せた。ジャックとエスメラルダはそれが8レアル銀貨であるということを知っており、すぐにキャプテン・ティーグに見せるよう助言した。

ところがその夜、はぐれ海賊はジャックを誘拐して<コルダーニャ号>と<ラ・ヴィペール号>で逃走する。バルボッサはキャプテン・ティーグのはぐれ海賊狩りに参加しようと考えていた。彼は銀貨を安全に保管しておくため、片目を失っていた部下ラゲッティに意味を教えず、義眼として木片を預けたのであった。

ブラックパール号にて

一等航海士

バルボッサ: 「なに遊んでやがる。おまえがちゃんと聞こえているくらい、わかっているんだからな、ジャック」
スパロウ: 「これは失礼。おまえが呼んでいるのは、誰か別のジャックってやつだと思ったんだよ。七つの海を航海した船のなかでも最高の船、ブラックパール号の船長のおれのはずがないからな。おれに用があるなら、おまえは『ジャック船長』と呼んだはずだろ?」
バルボッサ: 「悪かったな、ジャック船長さんよ」
―ヘクター・バルボッサとジャック・スパロウ[出典]

その後、なんらかの事情によりバルボッサはラゲッティと8レアル銀貨との接触を失っていた。はぐれ海賊が難破船入り江から脱出して5年後、バルボッサはトルトゥーガでジャック・スパロウが指揮を執る<ブラックパール号>の乗組員に加わり一等航海士に任命された。一同はティア・ダルマの命令により、シャドウ・ロードが海賊評議会を壊滅させるのを防ぐためシャドウ・ゴールドという7つの魔法の液体を回収すべく極東に旅立った。バルボッサとスパロウは東インド貿易会社シャドウ・アーミーに追われながら世界を周り、やがて評議会の海賊長たちの協力によりシャドウ・ロードを葬り去ることに成功した。

ブラックパール号の反乱

Barbossa Crew

キャプテン・バルボッサとその乗組員たち

シャドウ・ゴールドの冒険から2年後、<ブラックパール号>はエルナン・コルテスの失われた宝を発見するためイスラ・デ・ムエルタに針路をとった。バルボッサは財宝に呪いがかけられているというジャック・スパロウの話を信じることなく、「愚かな迷信」と考えて捜索を続けようとしていた。カリブ海地域に存在するイスラ・デ・ムエルタを見つけられるのはすでにその場所を知っている者のみであったが、キャプテン・スパロウは正確な位置を記した地図を持っていた。海に出て3日目、バルボッサはジャックからうまく方角を聞き出すことに成功した。当時「忠実な」一等航海士を信用しきっていたジャックは島を発見するのに役立つと考えて喜んで情報を提供した。

その夜、バルボッサは乗組員を説得してジャックへの反乱に仕向けた。一行はジャックをに置き去りにするとふざけて彼を島の「総督」に任命し、暑さと乾きに耐えきれなくなったときのために銃弾一発が入ったピストルを残して出航した。バルボッサの指揮下に置かれた<パール号>はイスラ・デ・ムエルタを目指して一直線に進んでいった。これ以前にペットのサルを手に入れていたバルボッサはかつてのキャプテンにちなんで「ジャック」と名付けていた。ジャックの情報に基づいてイスラ・デ・ムエルタにたどり着いた乗組員たちは洞窟の中で宝を発見する。巨大な石の櫃の中には、かつてスペイン人の大虐殺を止めようとアステカの人々がエルナン・コルテスに贈った882枚の同じアステカの金貨が納められていた。コルテスはこの贈り物を受け取ってもなお、殺戮をやめなかった。伝説によれば、アステカの神々が殺された人々の復讐として金貨に呪いをかけたという。この金貨を盗んだ者は誰であれその呪いの効果を受けると考えられる。乗組員たちはジャック・スパロウが語った伝説を無視して金貨をすべて奪った。トルトゥーガに戻った一行はしばらくして金貨のすべてを楽しみのために使い果たしてしまった。

アステカの呪い

「月の光が我々の正体を暴き出す。この世のものではないから死ぬことも許されない。だが死んでもいない」
―ヘクター・バルボッサ[出典]
Barbossa skeleton

月明かりにさらされて真の姿を見せるバルボッサ

味覚も満腹感も感覚も失った一行はやがて伝説が事実であったと思い知る。その中でも月光にさらされると生者でも死者でもなくどれだけ傷つけられても死ぬことがないという、真の姿であるアンデッドのスケルトンに変化してしまうという状態が一行をもっとも苦しめた。そのため、乗組員たちはすぐさますべての金貨の回収に旅立ったのであった。

乗組員の中にひとりだけ、ジャックの無人島置き去りに反対していた者がいた。それは金貨を息子に送り、ほかの乗組員たちに呪いは当然の報いだと話していたブーツストラップ・ビル・ターナーであった。逆上したバルボッサは「ブーツストラップのブーツストラップ」を大砲に縛り付けるよう命じ、死ぬことができないブーツストラップを身動きがとれない海の底へと突き落とした。バルボッサはどうにかして、金貨をすべて櫃に戻し血を流して償えば神々の呪いは解かれ自由になれると知った。この計画を元に、バルボッサたちは近くにある金貨の存在を感知できるという能力を利用しつつ宝の回収を行った。

失われたメダル

呪いにかかってから2年後、<パール号>は金貨を載せたを襲撃した。乗組員たちは金貨を発見できず、燃えさかる残骸を背に接近する<ドーントレス号>との戦いを避けた。また、詳細は不明であるがバルボッサは何年も前にボルヤから手に入れていた木片の意味を知り新しいカスピ海海賊長に就任した。

呪いからの解放

ポート・ロイヤル襲撃

「まず、君を帰してやる話は条件になかった。よってなんの義務もない。第二に、海賊なら掟が適用されるが君は違う。第三に、掟は規則と言うよりもどちらかと言えばただの心得だ。<ブラックパール号>へようこそ、ミス・ターナー」
エリザベス・スワンに対してヘクター・バルボッサ[出典]
Curse

ポート・ロイヤルを攻撃する<ブラックパール号>

それから8年間、乗組員たちは新世界の植民地で襲撃と略奪を繰り返しアステカの金貨を集めた。やがて彼らは1枚を除いてすべての金貨を櫃に戻した。ある日、バルボッサと乗組員たちはその金貨の存在を感知する。一行は金貨の「呼びかけ」に応えてイギリスの入植地であるポート・ロイヤルにたどり着いた。彼らは曇りの闇夜に紛れて奇襲攻撃を仕掛けた。呪いの効果により不気味な霧に包まれていた<パール号>は位置を知られることなくポート・ロイヤルを砲撃することが可能だった。バルボッサは砲手にフォート・チャールズの攻撃を命じる。彼は砦に敵を引きつけてから金貨の回収部隊を地上に送り込んだのであった。

Lizcoin

<ブラックパール号>におけるバルボッサとエリザベスの交渉

やがて、略奪品を積んだボートが船に戻ってきた。ふたりの乗組員、ピンテルラゲッティは若い女の人質を伴ってきた。甲板長が人質を連れてきた理由を尋ねるとこの女性はキャプテンと交渉するためにパーレイを申し入れたためだと答えたが勝手に口を開いてことで殴られてしまった。バルボッサはこれを見咎め甲板長を叱責すると女性に謝罪した。彼女は勇敢にもポート・ロイヤルからの撤収を要求し従わなければアステカの金貨を海に捨てると脅した。バルボッサは彼女が首から提げていたメダルの必要性を隠そうとしたが、彼女は8年前にイングランドから大西洋を横断するときに<パール号>を見ていた。バルボッサが名前を尋ねると彼女はエリザベス・ターナーだと答え総督の屋敷のメイドだと説明した。「ブーツストラップ」の子供を見つけたと考えたバルボッサはついに呪いが解けると信じて内心ほくそ笑んだ。そしてメダルと引き替えにポート・ロイヤルを離れるよう命令を下したのであった。メダルを渡した「ミス・ターナー」は自分を降ろすよう要求したが、バルボッサは彼女の身柄については交渉に含まれていなかったとしてこれを拒否した。そして呪いを解くため<パール号>はイスラ・デ・ムエルタへと向かった。

イスラ・デ・ムエルタ

「いくら飲んでも酔わない。食い物は舌の上で灰となる。どれだけ美しい女を抱いても心は癒やされない。我々は呪われたのだ。欲望が満たされることがなくなった。欲に駆られた末の報いだ」
―エリザベス・スワンに対してヘクター・バルボッサ[出典]
Hector&Elizabeth

「海賊のメダル」についてエリザベスに説明するバルボッサ

<パール号>がイスラ・デ・ムエルタに向かう中、バルボッサはエリザベスを客人として迎え入れ、夕食のゲストとして客室に招待した。呪いが解けたときのために常に保存してある食料が調理され並べられた。バルボッサは食事をするエリザベスを羨ましげに眺めていた。バルボッサが食事を勧めるだけで食べようとしないことに不信感を抱いたエリザベスが毒を盛ったのかと尋ねると彼は面白がった。彼は殺しても全く意味がないと答え、エリザベスはなぜ同行しなければならないのかと質問する。バルボッサは乗組員と呪いの話を何も知らないエリザベスに聞かせ、呪いを解く最後の鍵が彼女の血の犠牲であると説明した。するとエリザベスは駆けだして客室から逃げようとした。彼女を追いかけたバルボッサはテーブルにあったナイフで胸を刺されてしまう。エリザベスは微塵も動揺を見せないバルボッサにショックを受けた。月夜の甲板に走り出た彼女は半死半生の骸骨乗組員たちと対面しパニックに陥る。バルボッサはボトルからワインを飲みながら月明かりの下に歩き出し自らもスケルトン状態になって呪いの効果を説明した。驚いたエリザベスは客室に戻り、その後の旅をずっとここで過ごした。バルボッサは彼女の背後でドアを閉じる大笑いしたのであった。

Barbossa Liz 7

ピンテルを撃つバルボッサ

イスラ・デ・ムエルタに到着すると、乗組員たちが戦利品を洞窟に運び込む中でバルボッサは儀式の準備を進めていた。短い演説を経てエリザベスの手のひらを儀式用ナイフで切ったバルボッサは彼女の血が付いた金貨を櫃の中に落とした。感覚が何も変わらないことからバルボッサは呪いが解けたか確かめるためにピンテルを撃つ。ピンテルは死ななかった。エリザベスに向き直ったバルボッサは本当にウィリアム・ターナーの子供なのかと尋ね彼女は違うと答える。しかし誰が本物のウィリアムの子供なのかは明かさなかった。苛立ったバルボッサがエリザベスを平手打ちした拍子に彼女の金貨が落ちた。乗組員たちは人違いをしたピンテルとラゲッティを責めたがやがて怒りの矛先は、呪いを筆頭にすべての決断で悪い方向に進んでいくバルボッサに向かった。しかしバルボッサが剣を引き抜いて決闘の意思を見せるとその優れた剣術に恐れをなした乗組員たちは立ち向かおうとせず非難をやめた。この対立は洞窟の出口に向かって鳴き声を上げるジャック・ザ・モンキーによって中断された。エリザベスが倒れていたところにすばやく目をやったバルボッサは彼女がいなくなっていることに気づいた。

Pirates, captain Barbossa and Jack Sparrow in the cave

バルボッサとジャック・スパロウの再会

彼はエリザベスを捕まえるよう命令した。すぐに乗組員に呼ばれたバルボッサはそこにジャック・スパロウを見て愕然とした。バルボッサがどうやって島から脱出したのかと尋ねるとジャックは大切なことを忘れていたからだと答えた。それは彼がキャプテン・ジャック・スパロウだということだった。ジャックの自画自賛に苛立ったバルボッサはスパロウ殺害を命じた。ところがスパロウは落ち着き払ってエリザベスの血には効果がないと話した。ジャックの真意に気づいたバルボッサは乗組員たちに銃を下げるよう命令する。ジャックは誰の血が必要なのか知っていると明かした。この場で合意が得られなかったため、メダルを載せたHMS<インターセプター号>はバルボッサの手の届く範囲から遠ざかっていった。

インターセプター号追跡

「撃て!」
―ヘクター・バルボッサ[出典]
CotBPJackIshouldbethankingBarbossa

<パール号>におけるスパロウとバルボッサの交渉

乗組員とジャックは<パール号>に乗り込み猛然と<インターセプター号>の追跡を開始した。一方、バルボッサとスパロウはバルボッサの客室で取引を成立させようとしていた。ジャックはバルボッサに「彼の」船を返すよう求め、バルボッサを砂浜に降ろし出航するときに必要な血を持つ人物の名前を叫ぶと持ちかけた。バルボッサは「彼の」船を手放すことを拒んだが、ジャックが叫ぶ名前は本物であると信じていた。船室に甲板長が現れ<インターセプター号>が視界に入ったと告げると交渉は中断された。

バルボッサはジャックを営巣に閉じ込めるよう命じHMS<インターセプター号>に接近した。しかし機知に富むHMS<インターセプター号>の乗組員たちは浅瀬に出て<パール号>を撒こうとしていた。小型で軽量の<インターセプター号>は難なく浅瀬を横断することが可能なのであった。そしてさらに軽くするため不必要な積み荷を捨て始めた。バルボッサは銃およびオールの準備を命令し浅瀬に入る前に<パール号>が<インターセプター号>に追いつくと踏んでいた。徐々に<パール号>に距離を詰められた<インターセプター号>は右舷主錨を浅瀬に降ろして岩に固定し<パール号>に向かって急旋回するという最後のトリックを見せた。バルボッサは素早く乗組員に旋回を命じ舷側砲をすべて用意させた。

The Intercepter moments before its destruction

沈没する<インターセプター号>

続く戦いにおいてバルボッサは<インターセプター号>を見ながら砲手に指示を出して指揮を執った。戦いの途中で<インターセプター号>の主帆が<ブラックパール号>の甲板に倒れかかるとジャック・ザ・モンキーがこの橋を渡って<インターセプター号>に侵入した。サルはすぐにメダルを持って戻り、後ろには営巣を脱出して<インターセプター号>に乗りサルを追いかけていたスパロウもついていた。バルボッサの乗組員たちは生存者を捕まえて縛り上げ、<インターセプター号>に爆薬を仕掛けたと聞いたバルボッサはメダルを手に船が粉々になるのを待ち受けていた。

<インターセプター号>が爆発した後、バルボッサたちの前に「ブーツストラップ・ビル」の息子、ウィル・ターナーを名乗る男が現れた。彼は銃で自殺して海に落ち、バルボッサに呪いを解くための血を渡すことなく死んでみせると脅しをかけた。バルボッサはターナーに条件を尋ねる。ターナーは前もってはっきりと示していた要求であるエリザベスの自由を約束させ、<インターセプター号>の乗組員に危害を加えないことも条件に入れた。バルボッサは同意し<インターセプター号>の乗組員を営巣に閉じ込めた。

スパロウとの取引

ヘクター・バルボッサ: 「その代わり殺すのをやめろと言うんだな?この若造を」
ジャック・スパロウ: 「いや全然。若造は遠慮なく殺せ。でも後でだ。まだ呪いは解くな。ここぞという瞬間を待て。例えば...ノリントンの兵隊を殺してからだ。ひとり残らず全員」
―ヘクター・バルボッサとジャック・スパロウ[出典]
CotBPBarbossaBythePowersWherebeJacksPistol

スパロウに2度目の置き去りを言い渡すバルボッサ

だが、バルボッサはずるがしこくターナーの条件を逆手に取り、エリザベスを港に降ろす代わりに10年前にジャックを置き去りにしたに彼女を置いていくことに決めた。営巣から抜け出しバルボッサをだましたことからジャックもエリザベスの連れに加わった。ふたりを島に残したバルボッサはすべての材料がそろった<パール号>をイスラ・デ・ムエルタに向かわせる。間違いが起こらないようすべての血をかけるべきだという乗組員の要望を聞いたバルボッサはウィル・ターナーを殺すつもりであった。

CotBPJackinformingBarbossaofHMSDauntless

スパロウとの取引

<パール号>は戦闘で受けたダメージにより通常より遅くイスラ・デ・ムエルタに到着した。今度はウィル・ターナーを犠牲にしてバルボッサがもう一度儀式を始めようとするとまたもやジャック・スパロウが現れて一同を困惑させた。ジャックはHMS<ドーントレス号>が外で待ち受けていると話した。儀式が中断されるとジャックは交渉を持ちかける。それはジャックを<パール号>のキャプテンにしてバルボッサが<ドーントレス号>を手中に収め、艦隊を率いて司令官になるということであった。これに釣られたバルボッサはジャックが戦利品の25%を納めることを条件に同意し、ジャックは大きな帽子をプレゼントすると約束した。バルボッサは乗組員たちに海底を歩かせ、ジャック、ウィルとともに戦いが終わるのを待った。

スパロウとの対決

ヘクター・バルボッサ: 「どうするジャック・スパロウ?俺たちは不死身なんだぞ。最後の審判の日までずっと戦ってるつもりか?ああ?」
ジャック・スパロウ: 「じゃ降参すれば?」
―ヘクター・バルボッサとジャック・スパロウ[出典]
Fight on Isla de Muerta 19

決闘中のバルボッサ

バルボッサは再びジャックを信用し始め、彼は先の行動を読みにくい男だと言った。この信用もジャックがウィルを解放したことで終わり、ウィルが乗組員と戦う中バルボッサとジャックの決闘が始まった。やがて、ジャックに殺すことはできないとわかっていたバルボッサは武器を捨てる。スパロウはこのチャンスを利用して彼の胸を突き刺す。ため息をついたバルボッサはこの剣を抜くとジャックの腹を刺した。ジャックはこの致命傷にうしろによろめいたが月明かりの下で立ち止まると呪われた骸骨の姿の変化した。彼はバルボッサと話しているときに金貨を一枚盗んでいたのであった。

ヘクター・バルボッサ: 「10年間大事に取っておいた弾を無駄にするとはな(ジャック・スパロウに対して)」
ウィル・ターナー: 「無駄にはしてない」
ヘクター・バルボッサ: 「感じるぞ...寒い」
―呪いが解けて感触が戻ったバルボッサ最期の言葉[出典]
Fight on Isla de Muerta 37

キャプテン・ヘクター・バルボッサの死体

この無意味な戦いは洞窟を回って繰り広げられ、バルボッサはついにジャックとウィルを助けるため洞窟に来たエリザベスに銃を向ける。しかしバルボッサが引き金を引く前にジャックが彼の心臓に銃弾を撃ち込んだ。乗組員を倒していたウィルは最後の2枚の金貨を自分とジャックの血で清め石の櫃に落として呪いを解いた。上着を剥いだバルボッサはジャックに撃たれたところから血が出ていることに気づく。バルボッサは寒さを感じるとつぶやくと倒れて死んだ。

復活

「さあ聞こうか、俺の船はどうなったんだ?」
―ヘクター・バルボッサ[出典]

どれくらいの期間か不明であるがバルボッサの死体はイスラ・デ・ムエルタの洞窟に残されていた。やがて何らかの事情によりバルボッサはあるとき女神カリプソの化身であるブードゥー教の司祭ティア・ダルマの手で死から復活した。ジョリー・ロジャーの戦争の時期には、バルボッサは悪魔の金床と呼ばれる島に取り憑き死者しか知り得ない情報を語っていたと言われている[1]死者の宝箱探索中にティア・ダルマの小屋を訪れたジャック・スパロウの乗組員たちはそこでバルボッサの持ち物を見つけた。ティア・ダルマがジャック・ザ・モンキーを放すとサルはすぐにバルボッサのブーツに駆け寄り乗組員たちはそのブーツに気がついた。ジャックはバルボッサの古びた黒い帽子を手にとって眺めた。

Barbossa introduced

ティア・ダルマの小屋において、キャプテン・バルボッサとジャック

しかしバルボッサの復活には条件があった。ティア・ダルマは人間の体という呪縛から逃れるため評議会を招集するべく9人の海賊長のひとりであるバルボッサを必要としていたのであった。ジャックがクラーケンによってデイヴィ・ジョーンズ・ロッカーに引きずり込まれると事態は困難を極めた。ジャックの生き残った乗組員たちが逃げ場を求めてティア・ダルマの小屋に戻り、彼女がバルボッサの知っている世界の果ての海について話して聞かせた後でバルボッサが初めて姿を見せ彼らを驚かせた。しかしながら一行は世界の果てに向かうための海図が必要でありそのためにまずシンガポールに向かった。

戦争の召集

シンガポール

「我々には崇高な目的がある。やましいことなどない」
サオ・フェンに対してヘクター・バルボッサ[出典]

バルボッサはジャックのかつての乗組員たちを連れてシンガポールに行くがその前に4回目の評議会の召集を意味する「旗を揚げよ」が歌われた。バルボッサと仲間たちは世界の果てからジャック・スパロウを救出するためにまずシンガポールに行き船と乗組員、そして悪名高い南シナ海海賊長サオ・フェンから海図を手に入れなければならなかったのであった。バルボッサは船と乗組員を要求するためにサオ・フェンとの会合を設定し地図を盗むためにウィル・ターナーを送り込んだ。

Barbossabathhouse

シンガポールにおけるエリザベス・スワンとバルボッサ

バルボッサはエリザベス・スワンとふたりでシンガポールの浴場を訪ねた。彼は残りの乗組員を全員浴場の縁の下に潜らせ、もし交渉が失敗したときのための戦力として隠しておいた。フェンは地図が盗まれそうになったのと同じ日にバルボッサが船と乗組員を要求しに来るのは不思議な偶然だと話した。フェンはそれから捕らえられた泥棒、ウィル・ターナーの姿を見せた。ターナーはそれまで桶に沈められていた。バルボッサはウィルを知らないと言い張ったがフェンが彼を殺そうとするとエリザベスが叫んだ。こうしてバルボッサとエリザベスの嘘を見抜いたフェンはなぜこれほど遠くまで地図を取りに来たのか訪ねた。バルボッサは世界中で海賊を根絶やしにしようとしている東インド貿易会社を止めるべく4回目の評議会を招集する歌が歌われたと話して話題を変えようとした。

フェンは東インド貿易会社との戦争に消極的であり、海賊が協力し合う代わりにいつも裏をかき合っていることを指摘した。エリザベスは彼を臆病者と呼ぶ。フェンはエリザベスの積極性に感心したが彼女に応える代わりにまだ地図を取りに来た理由を話していないとバルボッサに言った。バルボッサとエリザベスは答えなかったがウィル・ターナーが、ジャック・スパロウをデイヴィ・ジョーンズ・ロッカーから救うためだと明かした。フェンはかつてスパロウに侮辱されたことに怒りを感じており、彼を生者の世界に蘇らせたいと願う唯一の理由は自分の手で殺したいからだと捲し立てた。するとバルボッサはスパロウも海賊長のひとりであると話し、8レアル銀貨を後継者に譲り渡すことなくロッカーに引きずり込まれたため彼なしでは評議会は開けないと告げた。

Barbossa and Elizabeth facing the Chinese

床下から投げられた剣をつかむバルボッサとスワン

フェンが自分の兵士たちの中に偽のタトゥーをした見慣れない男がいることに気づくと会合はさらに緊迫した。男はあきらかにスパイであった。彼がバルボッサの乗組員であると考えたフェンは隠れていた部下たちを呼び寄せた。バルボッサは相手を落ち着かせようとしたが効果は得られなかった。床の下に隠れていたバルボッサの乗組員たちは交渉が決裂しふたりに助けが必要だと理解して浴場の板間の隙間から4本の剣を宙に投げた。バルボッサとエリザベスがそれぞれ2本ずつ剣をつかむとフェンはスパイを人質にして武器を捨てなければ殺すと脅した。バルボッサはスパイの男を知らないと答えて殺せと言い放ったがその瞬間、イアン・マーサー率いる東インド貿易会社の一団が乱入してきたことにより対立は中断された。

バルボッサとフェンは共通の敵を倒すために一時的に協力し、脱出のため港に向かった。戦いの途中、ウィル・ターナーはバルボッサに知られることなく独自にサオ・フェンと交渉を取り付けた。彼は地図を手に入れるとタイ・フアン率いる中国海賊とジャンク船ハイ・ポン号>をバルボッサに提供した。一行は船に乗って世界の果てを目指した。

世界の果て

「ああ、我々は完全に迷った...見つからない場所を見つけようとしてるんだ。迷って当然。誰もが行けるようじゃ意味がない」
―へクター・バルボッサ[出典]
Barbossa in the freezing sea

サオ・フェンの海図に取り組むバルボッサ

シンガポールから無事逃げ出した乗組員たちは世界の果てを目指して記録にない極寒の海を渡ったが、バルボッサは海図に描かれた、デイヴィ・ジョーンズ・ロッカーからの帰り道を示す暗号的な指示を解読できずにいた。恐れ知らずのバルボッサは<ハイ・ポン号>が氷の洞窟に入って迷っても、ジャンク船が世界の縁から異世界に落ちそうになっても見つけられない場所を見つけるためだと話して一切の恐怖を見せなかった。

Barbossa Davy Jones Locker Charts AWE

デイヴィ・ジョーンズ・ロッカースパロウに海図を見せるバルボッサ

船は粉砕したが乗組員は全員生き残りデイヴィ・ジョーンズ・ロッカーにたどり着く。しばらくして一行は<パール号>と一緒にジャック・スパロウを発見する。バルボッサは会話の中で前回の運命的な決闘を持ち出したがスパロウは気にかけず、自分こそが<ブラックパール号>のキャプテンであると主張して彼を乗組員から外した。バルボッサの手にある海図がなければロッカーから脱出できないと知っていた彼はスパロウに抗議した。こうしてふたりのライバルはロッカーの終わりなき海から逃げるため<パール号>に同乗せざるを得なくなった。

Jack Barbosa AWE

ブラックパール号>でジャック・スパロウと口論するバルボッサ

謎の多い海域を旅する中、バルボッサとジャックはキャプテンとしての指揮権を巡って争ったがやがてバルボッサが右舷のキャプテン、ジャックが左舷のキャプテンということで合意に達した。やがてスパロウが暗号を解読し乗組員を誘導して<パール号>を逆さまにしようと試みた。ジャックの計画に気づいたバルボッサは乗組員たちに大砲や積み荷の縄を解くよう命令し、船を横転させるため自らも縄を切って協力した。船の横転からまもなくロッカーは日暮れを迎え、緑の閃光が放たれると一行は生者の世界に戻っていた。

BarboGunP3

スパロウに銃を向けるバルボッサ

現実世界に戻ったと確信した瞬間、バルボッサはフリントロック・ピストルをスパロウに突きつけ難破船入り江評議会に出席するよう要求した。同時にジャック・スパロウ、ウィル・ターナーエリザベス・スワンらもバルボッサと互いに銃を向け合い、バルボッサの背後ではジョシャミー・ギブスが彼に銃を突きつけた(ジャック・ザ・モンキーコットンのオウムに銃を向けていた)。ジャック・スパロウがバルボッサに向けて引き金を引いたが火薬が湿っているせいでどの銃も発砲できないとわかると対立の緊張は一気に収束した。一行はこの問題を脇に押しやり水の補給を求めて近郊の島へ立ち寄ることになった。

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海図を眺める乗組員たち

ところが、バルボッサとスパロウはお互いを全く信用していないため再び対立が起こりかけた。バルボッサもジャックも自分だけが陸に降りると相手が<パール号>を奪って姿を消してしまうのではないかと疑念を抱いていたのである。ウィル・ターナーが一時的に<パール号>のキャプテンとして残り、バルボッサとジャックふたりに上陸するよう促すとこの問題は解決された。

裏切りと同盟

ティア・ダルマ: 「気をつけな、バルボッサ。あたしの力でこの世に戻れたこと、忘れない方が良いよ。もししくじったらまたあの世行きだ」
へクター・バルボッサ: 「俺を生き返らせた理由を忘れるな。なんで俺がわざわざジャックを墓場から連れ戻したと思う?お前を人に変えたのは9人の海賊長だ、カリプソ。自由になるには9枚の銀貨がいる」
ティア・ダルマとへクター・バルボッサ[出典]
Barbosa Jack Kraken

クラーケンの死骸を前に言葉を交わすふたりのキャプテン

島に上陸したバルボッサとジャック・スパロウは浜に打ち上げられたクラーケンの死骸を目にする。バルボッサはジャックの望みに反対するように死の確実性について話した。しかしバルボッサもスパロウと同じように自身の死について考える羽目になるがここでは差し迫った問題が優先された。

ふたりのキャプテンによる短い哲学的な会話ののち、上陸組は島を探検した。一行は泉を発見したがそこにはフィドで殺された東インド貿易会社のスパイ、ステンの死体が浮かんでいた。バルボッサは水を味見したが朽ちていく死体のせいで汚染されていることがわかった。サオ・フェンの旗艦<エンプレス号>が島に到着し<パール号>に接近するとタイ・フアンとその部下たちが突如裏切ってバルボッサとスパロウに銃を突きつけた。するとスパロウはバルボッサがキャプテンだと話した。ふたりは<ブラックパール号>に連行されそこで船を拿捕したサオ・フェンと対峙する。またウィル・ターナーの裏切りも判明した。

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バルボッサとサオ・フェンの交渉

まもなくHMS<エンデヴァー号>が姿を見せる。ジャック・スパロウは<エンデヴァー号>に連行されバルボッサを含む残りの乗組員はサオ・フェンの部下とイアン・マーサー率いる兵隊に拘束され監視された。<エンデヴァー号>の船室でカトラー・ベケットと対面したジャック・スパロウはバルボッサと他の海賊長を引き渡すと申し出てた。一方、バルボッサはカリプソの名前を出しエリザベスがカリプソだと思い込ませることでフェンと取引した。マーサーが約束を破り<ブラックパール号>を引き渡さなかったことですでに会社に失望していたフェンは話に乗り、エリザベスと引き替えに東インド貿易会社と戦うことに同意した。サオ・フェンの部下が乗組員を解放する中、フェン自身はエリザベスを伴って<エンプレス号>に戻った。バルボッサの乗組員と中国の海賊は<ブラックパール号>の東インド貿易会社海兵を攻撃し勝利を収める。この小戦闘においてマーサーとわずかに剣を交えたバルボッサは股間を蹴ってとどめを誘うとするが、マーサーは海に飛び込んで逃げた。数発の砲弾で<エンデヴァー号>にダメージを与えた<ブラックパール号>は、戻ってきたジャックとバルボッサのふたりのキャプテンの指揮で難破船入り江に向かった。

Barbossa and Tia Dalma AWE

難破船入り江におけるバルボッサとティア・ダルマ

<ブラックパール号>が難破船島に到着するころ、バルボッサは船首に立ってブードゥー教の司祭ティア・ダルマと取引について話し合っていた。この呪術師はバルボッサが裏切ろうとしていることを責め、彼女の力によってこの世に復活できたことを思い出させた。ティア・ダルマはバルボッサの右腕をつかんで腐らせることで能力を示し、約束を破ると起きることについて注意した。その返しにバルボッサは実は女神カリプソであるティア・ダルマこそが彼を必要としているのだと指摘する。彼女がバルボッサを蘇らせたのはジャック・スパロウをデイヴィ・ジョーンズ・ロッカーから救出し唯一カリプソを人間からだから解放できる海賊長を招集するためであった。女神が他の誰かと取引するのを防ぐため、バルボッサはピンテルラゲッティに彼女を営巣に閉じ込めるよう命令した。その場に残ったバルボッサは元に戻った右腕を見つめながら彼女への借りについて考え込んだのであった。

評議会

「今じゃ怪物との取引によって海が支配されている。これなら昔の方が良かった。額に流れる汗と腕っ節の強さがものを言った時代の方がな。みんなもそう思うだろう?諸君、淑女も...解放せねばならん、カリプソを」
―へクター・バルボッサ[出典]
Crew arriving shipwreakcove

難破船入り江に到着したバルボッサ

難破船入り江海賊の館で開かれた会合において、バルボッサは鎖玉を間に合わせのガベル(裁判長が持つ木槌)にして事実上のリーダーと進行役を務めた。

バルボッサは4回目の評議会を宣言し、そこにいる海賊長たちに8レアル銀貨 を出すよう要求してジャック・スパロウ以外が従った。バルボッサはラゲッティの木の義眼も取ると皿に入れた。彼はもうひとりの海賊長であるサオ・フェンを持ったが現れたのはエリザベス・スワンであった。彼女はサオ・フェンが<フライング・ダッチマン号>の攻撃で死亡する前に<エンプレス号>の新キャプテンとシンガポールの海賊長に後任として選ばれたと説明した。対応について聞かれたエリザベスはベケット卿の艦隊と公海で戦うべきだと提案したが、ミストレス・チンが籠城を主張すると海賊長たちもそれに同調した。

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評議会において、エリザベス・スワンとバルボッサ、スパロウ

バルボッサは第3の選択肢を提案する。彼はカリプソを解放して東インド貿易会社による支配政策を困難にしようと持ちかけた。タイ・フアンはサオ・フェンもこの考えに賛成していたと発言しビジャヌエバも賛成した。しかし他の海賊長たちは海の女神の力と復讐を恐れて反対した。乱闘騒ぎが始まるがバルボッサは机に乗って警告の銃弾を放つことでこれを制止した。

海賊長たちが静まるとジャック・スパロウが4つめの選択肢を提案した。彼は後で逃げられるようにするためだけに戦いを始めようと呼びかける。バルボッサはそれは戦争を意味すると指摘し、開戦を宣言できるのは海賊王だけだと言って却下する。これを確認するためバルボッサは掟の番人キャプテンティーグを呼び出し彼の口から事実であると知らされた。海賊王を決める投票が始まりバルボッサは他の海賊長と同じく自分に投票したが、スパロウだけがエリザベスに投票したためエリザベスが海賊王に就任したのであった。

パーレイ

へクター・バルボッサ: 「ジャックは海賊長のひとりだぞ。何様のつもりだ?」
エリザベス・スワン: 「王様!」
―へクター・バルボッサとエリザベス・スワン[出典]
Barbossa, Elizabeth and Jack during the parlay

パーレイの交渉に向かうバルボッサ、スワン、スパロウ

海賊の艦隊は難破船島を出発し戦いの準備に入っていた。バルボッサとスパロウは未だにどちらが<ブラックパール号>の指揮を執るかで争っていたが、カトラー・ベケットの艦隊が現れるとスパロウはパーレイを求め、ふたりのキャプテンであるバルボッサとスパロウ、それに海賊王エリザベスはボートに乗って砂州に上がりカトラー・ベケット卿、キャプテン・デイヴィ・ジョーンズ、ウィリアム・ターナーらと対面した。バルボッサはエリザベスの右側に立ち、6人の間で交渉が行われた。取引によりウィルとジャック・スパロウが交換されスパロウはジョーンズに借りの返済をしなければならなくなった。

バルボッサは敵の側に歩いて行くスパロウを"悪党"と呼んで剣で攻撃し、彼の8レアル銀貨(モロッコのビーズに編み込まれたコイン)を切り落とした。ジャック・ザ・モンキーは最後のひとつであるスパロウの銀貨をつかむと密かにバルボッサに手渡したのであった。3人は<ブラックパール号>に戻って戦いに備えた。

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カリプソ解放の儀式を執り行うバルボッサ

<ブラックパール号>に戻ったバルボッサはティア・ダルマに借りを返すため人間の体からカリプソを解放する儀式を執り行う。そのために9枚の8レアル銀貨は燃やされラゲッティはティア・ダルマの耳元で魔法の言葉をささやいた。カリプソが解き放たれるとバルボッサは許しを請うが、彼女は自分を閉じ込めたものたちを許すことなく手助けを拒んだ。これに失望したバルボッサはエリザベスにベケット卿との戦争の中止を求めるが、彼女は勇ましい演説を行って全員の戦意を回復させた。同時にカリプソは嵐を引き起こし稲妻で海を打って大渦巻きを起こすことで激しい怒りを露わにしていた。

カリプソの大渦巻きの戦い

エリザベス・スワン: 「バルボッサ!結婚の立ち会いを!」
へクター・バルボッサ: 「悪いが今は少々手が離せん!」
エリザベス・スワンとへクター・バルボッサ[出典]
Barbossa at the wheel

舵を取るバルボッサ

今や疑う余地もなくバルボッサの旗を掲げる<ブラックパール号>のキャプテンとなった彼は<フライング・ダッチマン号>との戦いにこぎ出すよう命じた。エリザベスはもっとも腕の良い舵手であるバルボッサに舵を依頼し彼は見事にこなして見せた。2隻の船が大渦巻きに接近するとバルボッサは戦闘の準備を命令するが、<ダッチマン号>に充分近づくまで攻撃を控え、大砲をもっとも効果的に使える位置を探った。そして舷側砲の一斉射撃を命じた。2隻の船は撃ち合いながら渦の周りを回転しついに移乗攻撃できる距離まで近づいた。

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<ダッチマン号>の乗組員と戦うバルボッサ

戦闘中、バルボッサは<ブラックパール号>のブリッジに残って東インド貿易会社の兵士やアーチンジェリー、頭部を切断して刺し殺したモレイなどの魚人と剣を交えた。戦いの最中にウィルとエリザベスはキャプテンとして権限を持つバルボッサに婚姻の許可を求めた。多くの敵に囲まれながらバルボッサは急ぎ足の結婚式を挙行した。ウィルが<ダッチマン号>でジョーンズの心臓を突き刺して船ごと渦巻きに飲み込まれ始めると、バルボッサはピンテルラゲッティに命じて引っかかっている2隻の帆を鎖玉で引き離した。船が離れるとバルボッサは渦の外の安全な領域まで船を操作した。

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砲撃を命じるバルボッサ

<ダッチマン号>の敗北にもかかわらずベケットの艦隊は依然としてその場を動かなかった。<ダッチマン号>から脱出したスパロウは再び<パール号>のキャプテンになるために舞い戻る。彼は攻撃の継続を命令したがバルボッサは拒否した。会話の最中に新しいキャプテン、ウィル・ターナー率いる<ダッチマン号>が再び浮上した。この思いがけない新たな味方に勇気づけられたバルボッサは攻撃に賛成した。バルボッサとスパロウはベケットの旗艦<エンデヴァー号>まで<パール号>を近づけた。2隻のガレオン船が<エンデヴァー号>を挟み、両側から砲撃を行ってキャプテンもろとも船を海の藻屑に変えた。旗艦の大破と司令官の死、<ダッチマン号>の裏切りを見たベケットの残された艦隊は逃走し戦いは終了した。バルボッサと他の海賊たちは勝利に酔いしれたのであった。

戦いが終結すると、エリザベス・ターナーは夫が10年に一度だけ陸で過ごせる日をともに過ごすため<パール号>を降りることになった。バルボッサは彼女が別れのために近づいた最初の人物であった。バルボッサは彼女に微笑みかけ、皮肉にも初対面の時彼女が嘘をついて名乗った「ターナー」という名字で呼びかけた。

2度目の反乱

「スパロウめ」
海図が切り取られていることに気づいたバルボッサ[出典]
Chart Cutout

スパロウによって切り取られたサオ・フェンの海図を眺めるバルボッサ

海賊の勝利ののち、<ブラックパール号>はトルトゥーガに到着した。ジャックが港でジゼルスカーレットを口説いている間、バルボッサは乗組員を集めて眠っているジョシャミー・ギブスを桟橋に残し再び船を奪った。彼の目的はサオ・フェンから手に入れた海図で生命の泉を見つけることであった。ところがしばらくして、<ブラックパール号>のブリッジでジャック・ザ・モンキーにえさを与えていたバルボッサはスパロウを置き去りにしたことに罪悪感を覚えるピンテルラゲッティマーティマートッグムルロイたち乗組員から海図を見せるよう要求された。バルボッサは「永遠の命」を約束して海図を見せようとしたが、彼が海図を広げると真ん中の部分がスパロウによって切り取られていたのであった。

復讐

黒ひげの攻撃

「船長は俺だ、黒ひげじゃない。俺の運命は俺が握ってんだ、黒ひげのやつじゃない!だから足を切り落とした...そして生き延びた」
―ヘクター・バルボッサ[出典]

カリプソの大渦の戦いから約15年後、<ブラックパール号>がイスパニョ―ラ島沿岸を航海していたとき、バルボッサの乗組員は悪名高い黒ひげキャプテンを務める<アン女王の復讐号>から何の警告もなく突然攻撃を受ける。<パール号>は<復讐号>からの砲撃を浴びた。すると下の海がうねり始め<パール号>自体が制御を失ったかのように上下左右に揺れ動き始めた。これらすべてを目撃したバルボッサは思いがけない命令を下した。それは船の放棄であった。

しかしそれは遅すぎた。黒ひげは魔法の剣を使って<ブラックパール号>を操りバルボッサと乗組員を攻撃した。船上の船板、欄干、柱すべてが不快な音を立て始め索具に命が吹き込まれた。バルボッサの手下たちはヘビのように絡みつくロープに捕えられて戦うこともできなかった。一本のロープがバルボッサの右足にまとわりついたが、自分の運命を自分自身以外のものに左右されたくなかったバルボッサは剣を振り下ろして右足を切断した。彼は無情な襲撃をなんとか生き延びることができたが黒ひげのせいで<ブラックパール号>と右足を失ったということが忘れられなかった。黒ひげによる<パール号>攻撃をかろうじてかわしたバルボッサは船の運命を知ることなく、ただ沈没したと考えていた。

その夜からバルボッサは生命の泉の探索を放棄した。このときの彼の目的はただひとつ、<パール号>と右足を奪った黒ひげへの復讐であった。ところが乗組員も船もないバルボッサには助けが必要であった。片足のないバルボッサに海賊としてできることは限られていた。そこで彼はイギリスに渡って王室に仕える身となった。

王室の公賊

ジャック・スパロウ: 「ヘクター。海賊がずいぶん出世したもんだな。うれしいよ」
ヘクター・バルボッサ: 「海賊ではない。国王のため、国の許可と保護を得て敵の船を襲っているのだ」
ジャック・スパロウとヘクター・バルボッサ[出典]
OSTBarbossabeforebowingtoKingGeorge

国王の前に姿を見せる公賊ヘクター・バルボッサ

どのような状況においてか不明であるが、バルボッサは王室からの恩赦を受け、イングランドの帝国の仕える公賊として海賊の身分を改めた。この時期、彼は異常なほどの執念を持って黒ひげに関する情報を集め始めた。この調査を通じてバルボッサは黒ひげが生命の泉を取り憑かれたように探していることや彼の剣の重要性についてを知ることができた。過去の海賊としての生活から月日が経過し新たな主人への忠誠が認められたバルボッサは王室からの信頼を勝ち得たのであった。元海賊はやがて国王ジョージ2世の信頼の置ける助言者となり、イギリス海軍の誇りであるHMS<プロヴィデンス号>のキャプテンを務めるまでになった。この新しい地位を得るころには、彼は中がラム酒で満たされた木の義足を装着し、木の杖を使って歩くようになっていた。

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セント・ジェームズ宮殿から脱出するスパロウを睨みつけるバルボッサ

ジョージ2世がスペイン王フェルナンド6世スペイン艦隊よりも先に生命の泉を見つけることに興味を持つと、バルボッサは率先して役割を引き受けた。国王はセント・ジェームズ宮殿ジャック・スパロウと無理矢理会見を行い、バルボッサに捜索隊の指揮を命じてスパロウを彼の有用な部下にしようと考えていた。この会見でジャックと再び顔を合わせたバルボッサは新しい海賊としてのライフスタイルを指摘されると今は国王に仕える公賊だと訂正した。<ブラックパール号>について聞かれたバルボッサは詳細については伏せたままただ愛する船を失ったと答え沈んだと説明した。バルボッサはこの返答に激怒してつかみかかろうしたスパロウが近衛兵に取り押さえられるのを見守っていた。国王とバルボッサがもとの話題に戻る前にスパロウは伝説的な大脱出をやってのけた。ジャックはバルボッサのかつらを笑った後、彼が見守る中数名の近衛兵を倒して謁見室から姿を消した。国王が脱走に反応するとバルボッサはこの問題は必ず解決できると請け合った。ところがジャックが再び捕まることはなかった。

生命の泉への競争

「狙いは生命の泉。どうやらこの船を沈める暇も惜しいようだ。やつらに遅れをとったぞ!総員に次ぐ!もっと帆を張れ!」
―ヘクター・バルボッサ[出典]
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ギブスを尋問するバルボッサ

スペインがイギリスよりも先に生命の泉を目指しているという緊急課題のため、国王は生命の泉の探索を開始するべくバルボッサにHMS<プロヴィデンス号>を準備させた。航海に先立ってバルボッサはセオドア・グローブスジレットなど、数多くの乗組員を集めた。しかしジャック・スパロウが姿を消したためバルボッサは他に泉の場所を知っているであろう人物を必要としていた。そこで彼は首つり縄を持ってロンドン塔ジョシャミ―・ギブスを訪ねた。彼は情報をはかなければ絞首刑にするとギブスを脅しつける。ギブスはサオ・フェンの海図を持っていると話したがバルボッサに渡す前に燃やしてしまった。ギブスが地図を読んで生命の泉に通じるすべての道を記憶したと話すとバルボッサは彼を案内人として<プロヴィデンス号>に乗せざるを得なくなった。

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HMS<プロヴィデンス号>を指揮するバルボッサ

航海が進むとバルボッサはギブスを呼び出して方角の確認を求めた。3隻のガレオン船スペイン艦隊を見つけたギブスは正しいコースにいると確信を持った。スパニアードが艦隊を率いていることに気づいたバルボッサは即座に攻撃態勢に入って戦闘の準備をするように命じたが砲撃を開始する前に酢スペイン艦隊は彼らを気にする素振りも見せず<プロヴィデンス号>の横を通り過ぎていった。バルボッサは彼らの目的が生命の泉を見つけることであり、無駄な攻撃に費やす時間はないと思っているのではないかと考えた。遅れを取っていることを理解したバルボッサはそれまで以上に目的地到達への決意を固めたのであった。

ホワイトキャップ湾

ヘクター・バルボッサ: 「みんな王の部下じゃないのか?」
乗組員: 「そうだ!」
ヘクター・バルボッサ: 「そうだ!持ち場につけ!船を進めろ!目指す場所はホワイトキャップ湾だ!」
―ヘクター・バルボッサと<プロヴィデンス号>の乗組員[出典]
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乗組員に人魚の話をするバルボッサ

航海のあるとき、バルボッサは銀の皿にきれいに盛られたリンゴを優雅な手つきで口に運んで楽しんでいた。食事をしている彼のところにグローブスが現れ行き先について乗組員の間で噂が流れていると報告した。バルボッサは進み続けるよう命じたがグローブスが動こうとしなかったため、彼は目的地であるホワイトキャップ湾について乗組員に話すことになった。ギブスは噂は本当かと尋ね、何の噂かと問われると人魚だと答えた。バルボッサは人魚のいる海に向かっていると認めた。乗組員たちは恐怖に駆られ、そのうちのひとりが海に飛び込んだが、バルボッサは敵前逃亡と見なして相手にしなかった。彼は国王の部下なら恐れずに立ち向かうべきだと鼓舞して乗組員の士気を取り戻すことに成功する。そして<プロヴィデンス号>はホワイトキャップ湾に向かった。

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ホワイトキャップ湾に到着したバルボッサ、グローブス、ギブス

<プロヴィデンス号>はまもなくホワイトキャップ湾に到着する。嵐が発生するとバルボッサはグローブス、ジレット、ギブスなど大勢の部下を連れて岸に上陸した。バルボッサの部下たちが先日の湾の戦いで残された人魚の死骸を見ているとギブスはこのような狂気じみたことはやめようと申し出たが、彼はもう少しで目的地に到達するとしてやめられないと答えた。ジレットはバルボッサの義足により遅れていることを指摘したが彼の返答は苛立ったしかめ面のみであった。グローブスが先を急ごうと言ったそのとき<プロヴィデンス号>に残っていた乗組員たちは怒り狂った人魚たちの襲撃を受けた。

すでに全員死亡したとわかっていたバルボッサはギブスに案内を命じた。乗組員たちの身を案じたグローブスは救出を提案したが、バルボッサは彼にピストルを向けて気が変わるのを待った。バルボッサがギブスに道を聞こうとすると<プロヴィデンス号>は襲撃者の手に落ち波の中に飲み込まれてしまった。ギブスが次の道を案内し始めると乗組員たちはジャングルの島を探検を開始した。

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カエルを捕まえようとするバルボッサ

暗いジャングルを進みながら、バルボッサはギブスは船と地図がないことに対して不満を口にした。バルボッサはギブスの方から小さいが非常に強力な毒を持つカエルを捕まえるために乗組員全員の進行を中断させた。彼は集めた他のカエルが入っているビンにそのカエルを閉じ込める。ギブスが困惑した顔をしているとバルボッサは老人が趣味を持ってはいけないのかと問いかけた。彼は部下に死んだら眠っても良いと話して進み続けるよう命令する。カエルを見つめながら、バルボッサは運は自分に味方しているとつぶやいた。

聖杯の発見

「先を越されたが奴らが拠点にしそうな場所もわかったぞ」
―ヘクター・バルボッサ[出典]
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<サンティアゴ号>でジャック・スパロウと対峙するバルボッサ

その後、バルボッサはフアン・ポンセ・デ・レオンの船<サンティアゴ号>に納められたカルタヘナの聖杯を見つけるために乗組員を後にしてひとりで行動した。聖杯は泉の儀式の必需品でありバルボッサは黒ひげも探しているとわかっていた。断崖で<サンティアゴ号>を見つけたバルボッサは船長室に入って黒ひげの到着を待ち構えた。しかしそこに現れたのは黒ひげの命令で聖杯を探しているジャック・スパロウであった。

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ポンセ・デ・レオンの死体の地図を読むふたり

同じものを狙っていると考えたジャックは決闘を始めようとする。ところが<サンティアゴ号>のバランスは非常に不安定でふたりが動くと船は崖の上で危なっかしく揺れ動いた。そしてベッドの下から箱が滑り出てきた。ふたりにはそれが聖杯の箱であるとわかっていたが、手に入れる前に再び船が揺れ始める。船が平衡を取り戻すとバルボッサとジャックは一緒に箱を開けることで合意した。しかし箱を開けてみると入っていたのは聖杯ではなく石のみであった。ふたりはスペイン軍がすでに聖杯を持ち去っていたことに気がつく。ポンセ・デ・レオンの死体の手に握られていた地図を見たバルボッサはスペイン軍が野営しているであろう場所を突き止める。

スペイン軍キャンプへの侵入

「とぼけるな、ヘクター。あの船に聖杯がないのはとっくに気づいてたはずだ。なのにじっと待ってただろ、黒ひげを。ジョージ国王の命令...かつら...芝居がかった格好には騙されないぜ」
―ヘクター・バルボッサに対してジャック・スパロウ[出典]
HB OST 2

スペイン軍の野営地を発見したバルボッサ

バルボッサとスパロウはやがてスペイン軍の野営地の場所を発見しバルボッサの部下と合流した。一行が目的地に向かって進み続ける前にジャックとギブスは再会して短く言葉を交わす。乗組員たちがスペイン軍の野営地の近くで立ち止まると、スパロウは義足のバルボッサの代わりに自分が侵入して任務を果たしてくると名乗り出た。しかしバルボッサは一緒に行くと答えた。そしてグローブスに部下を待機させ合図するまで待てと命じた。

HB OST 3

スペイン兵に銃を向けられたスパロウとバルボッサ

ヤシの木や茂みを越え湖を歩いて渡ったバルボッサとジャックは身を隠しながらスパニアードが部下と話しているテントを見ることができた。バルボッサとジャックはテントの机に上に聖杯が置いてあることに気づきそこまで這って移動した。ジャックがバルボッサの剣から変なにおいがすると言うと、彼はカエルの内臓の毒が塗ってあるのだと説明した。ふたりが立ち上がって侵入の次の行動を考えていると、バルボッサはジャックの脱出がいつも成功するのは綿密な計画だと考えて逃げ道を計算するためにあたりを見回した。しかしジャックは時には行き当たりばったりで行動すると明かした。バルボッサとジャックはスペインの軍人を倒して聖杯を手に入れる。ところが立ち去ろうとして数名のスペイン兵と戦ったことでふたりはマスケット銃を構えた数十名のスペイン兵に捕まってしまった。

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ヤシの木に縛り付けられたふたり

スペイン軍の捕虜となったバルボッサとジャックは所持品を没収され隣り合うヤシの木に縛り付けられてしまった。バルボッサは手を縛られたまま屈んで義足を取り外し中に入ったラム酒を飲んだ。ジャックはそれをうらやましげに眺めていたが、バルボッサから義足を渡されると復讐に乾杯した。ジャックは<サンティアゴ号>にいたバルボッサの真意に気づいていたのであった ― それは黒ひげへの復讐だった。最初は否定していたバルボッサだったがやがてこれを認め、<ブラックパール号>への黒ひげによる攻撃について話し右足を失った理由を説明した。そして義足を再び装着しながらジョージ2世や「命を回復させるという酒場の与太話」に興味はないと認めた。バルボッサは黒ひげへの復讐のためなら左腕も差し出すと言い放ち、彼の心臓に毒の剣を突き刺すために右腕だけは必要だと話した。手のロープをほどいたジャックは復讐のチャンスを与えると約束した。

ジャックは急いで幹をよじ登りヤシの木の一番上を目指した。バルボッサは感服のまなざしで脱出するジャックを眺めていたが、彼はスリングショットの要領ですぐに別の木に飛び移っていった。見張りがこれを目撃しスペイン兵はジャックを探すために武器を持って展開した。逃げだそうともがいていたバルボッサのもとにジャックの脱出を合図だと勘違いしたグローブスが、バルボッサとジャックの武器を持って救出に現れた。そしてバルボッサとグローブスは乗組員たちと合流する。ジャックも聖杯を手に生還した。聖杯を取り戻したバルボッサとジャックは手を組み、ジャックは黒ひげに対する復讐の機会を与えると請け合った。

黒ひげとの戦い

ヘクター・バルボッサ: 「エドワード・ティーチ!国王陛下から与えられし権限のもと、かなりの個人的な恨みも含めて、海で犯した数々の罪によりお前を法廷の監視下に置く。すなわちここで俺がお前を逮捕する」
黒ひげ: 「海賊稼業もこれまで。そういうことか?」
ヘクター・バルボッサ: 「お前が犯してきた罪は数えきれん。海賊行為、反逆罪、殺人、残虐を極める拷問、曲がって毛が生えた使い古しの右足を盗んだ窃盗!」
―ヘクター・バルボッサと黒ひげ[出典]
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逮捕を宣言するヘクター・バルボッサ

ジャックは黒ひげとその乗組員と合流しバルボッサと部下たちは彼らを遠くから追跡した。海賊たちが生命の泉を発見するとバルボッサの乗組員たちは霞がかった空気の中から突然姿を現して敵を驚かせた。ついに黒ひげと対面したバルボッサは剣を引き抜き、右足を奪ったことなどあらゆる犯罪を理由に逮捕を宣言した。黒ひげは魔法の剣に立ち向かうつもりかと尋ねたがバルボッサは船から遠く離れているため問題はないと答える。バルボッサこそが予言された死の「義足の男」であると信じた黒ひげは運命が迫っていることを感じ取った。しかし黒ひげは戦わずして諦めるつもりはなかった。バルボッサと黒ひげの乗組員たちの間で激しい戦闘の火ぶたが切って落とされそれぞれのキャプテンが命をかけた決闘を繰り広げた。

Barbossa poison blade promo

黒ひげとの決闘で窮地に陥ったバルボッサ

バルボッサは海賊の剣を自分の剣と杖で受け止めながら死闘を続けた。ふたりは剣を交わし、途中でジレットが間に入って黒ひげに殺されると戦いは一時中断された。ジレットの死体がもたれかかるとバルボッサは苛立って脇に払いのけた。やがて黒ひげはバルボッサの杖をつかむと真っ二つに切断し、バルボッサは立っているのが困難になった。黒ひげがもっと厳しい戦いになるかと思っていたと挑発するとバルボッサは杖の残った半分で顔を攻撃して応えた。不利な状況でも戦いは続けられたが、やがて地面に倒れたバルボッサは義足のために立ち上がることができなかった。彼が笑っていることに黒ひげは苛立ちを覚え、とどめを刺そうとにじり寄る。しかし攻撃する前にバルボッサは招かれざる客の訪問を指摘した。それはスペイン軍であった。

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黒ひげを突き刺すバルボッサ

バルボッサと黒ひげはスパニアードが霧の中からゆっくりと現れるのを見守り、徐々に泉の戦い全体が止まっていった。グローブスを殺害して黒ひげの娘、アンジェリカから聖杯を奪うとスパニアードは泉の破壊を宣言して聖杯を踏みつぶし、深い水の中に投げ込んだ。スペイン軍が泉の破壊に取りかかるとスパニアードは信仰によってのみ得られるものを追い求める黒ひげを愚か者と呼んで対峙した。黒ひげが信仰には良い面もあるが悪い面もあると答えている隙にバルボッサは毒の剣で彼の手の甲を切りつけた。困惑した黒ひげが振り向くとバルボッサは<ブラックパール号>の恨みだと言って体に剣を突き刺した。

致命傷を受けた父親のもとに駆け寄ったアンジェリカは剣を抜こうとして手を切ってしまう。バルボッサは「ちょっとした毒入りの利点」を得るために剣に毒を塗っていたことをふたりに明かす。スペイン軍が泉の周りで寺院の破壊を続ける中バルボッサは黒ひげの剣を拾い上げ、彼の乗組員は右足の代償として頂戴すると宣言した。バルボッサは瀕死の黒ひげを残し、黒ひげの人間の乗組員を連れて生命の泉から立ち去った。

海賊への復帰

「よしみんな、風上に進め!手を休めるんじゃねえぞ、このカスどもが!(笑い声)国王とはおさらばだ。海と空の神々の名にかけて、野郎ども!トルトゥーガに針路をとれ!」
乗組員に対してヘクター・バルボッサ[出典]
Queen Anne's Revenge trailer 2

ヘクター・バルボッサと彼の新たな船

黒ひげに対する復讐を果たしたバルボッサはエゼキエルサラマンガーヘンスクラムそしてキャビン・ボーイら黒ひげの海賊の乗組員たちを引き連れ巨大な不毛の岩場を歩き進んだ。の湾には<アン女王の復讐号>が静かに停泊していた。彼は<復讐号>を自分の船として宣言する。

<アン女王の復讐号>に乗り込んだバルボッサは海賊の衣装に身を包んだ。バルボッサが船のに手を触れるとキャビン・ボーイが下のデッキで見つけた古びた黒いつば広帽子を持ってきた。それはかつて黒ひげとの戦いで失った帽子だった。帽子をくるりと回転させて被ったバルボッサは自分のものになった剣を引き抜いて船を操り係留をほどき帆を張った。乗組員たちが呆気にとられているとバルボッサは剣を正面に向けて<アン女王の復讐号>を全速力で前進させた。

PirateBarbossaP4

<アン女王の復讐号>を指揮するバルボッサ

船が進み始めるとバルボッサは剣をさやに納め、彼を新しいキャプテンとして認めた乗組員たちに怒号を飛ばした。今一度悪名高い海賊のキャプテンとなったバルボッサはコートに手を入れて私掠免許を引っ張り出すと国王はよく仕えてくれたと告げて破り捨てた。バルボッサが次の目的地、トルトゥーガに針路を取るように命じると千切れた私掠免許は風に舞って飛んでいった。

舞台裏

登場作品

非正史作品

脚注

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