パイレーツ・オブ・カリビアン Wiki
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「海を荒らしまわる海賊たちを全滅させると誓った。そんな時あの少年が現れた。ジャック・スパロウ・・・。ヤツにはめられ私は目覚めた。復讐に」
―アルマンド・サラザール[出典]

アルマンド・サラザール(Armando Salazar)とは、カリブに取り憑いた伝説で無情かつ恐るべき海賊ハンターである。スペインで誕生したサラザールはスペイン海軍の高位の軍人として海賊狩り用の強力な戦艦<サイレント・メアリー号>のカピタンを務めていた。彼は何年にも渡って海を恐怖に陥れ数千の海賊を殺害したが、やがてジャック・スパロウという名前の若き海賊がこの海賊殺しを陥れて謎めいた魔の三角海域に追いやったことにより恐怖支配は終焉を迎えた。

しかしながら、サラザールは三角海域の闇の力によって生前よりもさらに力を増して蘇る。彼は永遠にゴーストとして地上をさまようように呪われてしまったのであった。復讐への渇望により、サラザールは魔の三角海域の封印から脱出しゴーストと化した乗組員を率いて旅立つ。彼の目的はすべての海賊を葬り去り、命を奪ったジャック・スパロウへの報復を果たすためポセイドンの槍を見つけることであった。槍を巡る戦いヘンリー・ターナーに槍を破壊されたサラザールは乗組員たちと同様に人間の体に戻る。彼は錨の鎖に掴まって<ブラックパール号>に乗り込もうとしているときにヘクター・バルボッサに攻撃され乗組員たちとともに海に飲み込まれて死亡した。

経歴

海賊狩り

サラザールの生い立ちについてはほとんどが不明であるがスペイン海軍に入隊して軍人になったことは知られている。彼は階級を昇っていき数々の名誉ある勲章を受章してやがては強力な戦列艦<サイレント・メアリー号>のカピタンに就任した。祖父父親のふたりがかつて海賊に殺害されたことから、サラザールは軍人生活の時点で海賊を皆殺しにするという誓いを立てた。そして成功し悪名をとどろかせた。ある言い伝えによれば、彼は海賊狩りの旅で数千人もの海賊を無慈悲に殺害したとされている。

海賊艦隊との戦い

Salazar looks

海賊への勝利を確認するサラザール

ある日<サイレント・メアリー号>は、サラザールを殺すために団結したカリブ海最後の海賊たちによる10隻の船から構成される海賊艦隊と遭遇した。数では不利であったもののスペイン人たちは海賊を攻撃し、まもなく<サイレント・メアリー号>の火力とその乗組員たちが海賊艦隊全体の乗組員たちより遙かに技術的に優れていることを証明した。戦いは艦隊の大半が大破するという海賊の敗北に終わっていた。<サイレント・メアリー号>が船の残骸を通り過ぎる中、サラザールは絶滅させると誓ったならず者たちに対する新しい勝利に満足していた。副司令官であるレサロ大尉は残骸の中にいるわずかな生存者たちが、絶望にうちひしがれ降伏の証に即席の白旗を振りながら、慈悲を求めていると通路に立っていたサラザールに報告した。サラザールは落ち着き払って無慈悲を宣告し、大尉は少人数の分隊に生存者の射殺を命令した。

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魔の三角海域へ最後の海賊船<ウィキッド・ウェンチ号>を追い込むよう命じるサラザール

部下たちが残酷な仕事を終えるとサラザールは燃えさかる船を眺めて、ついに海が浄化されたことで彼の任務は終了したと考えた。乗組員たちが勝利を祝っているとサラザールは背後から呼びかける声を耳にした。振り向いて望遠鏡をのぞき込んだ彼は、硝煙の中から最後の海賊船<ウィキッド・ウェンチ号>が逃げだそうと反対側に向かっているのを目撃した。見張り台に立った若き海賊はサラザールが降伏すれば命は助けると保証した。この海賊は甲板に飛び降りると同時にぼろぼろになった黒い海賊旗を大胆にも掲げて見せた。スペイン人は追跡を開始して魔の三角海域と呼ばれる、暗闇に包まれた謎めいた島の方向へ<ウェンチ号>を追い上げた。三角海域の内部へ続くと想われるトンネルを抜けて逃げようとしていると考えたサラザールは謎の海域まで海賊船を追跡させた。ところが<ウィキッド・ウェンチ号>が三角海域の入り口まで来たところで海賊たちは岩礁にロープを投げて固定し船を急激に旋回させた。先ほどサラザールを挑発した若き海賊が同じ方向に舵を切り<ウェンチ号>を最後の瞬間に方向転換させた。

Salazar at the helm

若き海賊を見るサラザール

部下に同じ作戦をとらせる時間は無く、海賊船との衝突を避けたサラザールはレサロ大尉から舵を交代し<サイレント・メアリー号>をそのまま直進させた。スペイン船が三角海域に入る前に<ウィキッド・ウェンチ号>とすれ違ったとき、サラザールは最後にもう一度若き海賊の姿を目にした。未知の海域に進入した<サイレント・メアリー号>はすぐに近くの岩に衝突し船首にダメージを受け、乗組員たちは水中に放り出された。この衝撃により船に積まれていた火薬が爆発し船は炎に包まれ生き残っていた乗組員を焼き尽くした。サラザールは逃げようとしたがメインマストから落ちた桁橋が頭を直撃し死亡した。海に落ちた彼の死体はゆっくりと沈んでいく。

Salazar rage

死から蘇ったサラザール

ところが、でさえもサラザールの最期ではなかった。海底へと沈んでいく死体は三角海域の謎めいた超自然パワーによって突如奇妙な赤い光の筋に包まれ、サラザールはアンデッドとして蘇ったのであった。こうして彼は同じように蘇った乗組員たちと三角海域に囚われてしまった。サラザールとアンデッドの乗組員はすぐに三角海域から抜け出せないことを知りそれから数十年を終わりなき暗闇の中で過ごさなければならなかった。

ポセイドンの槍の探索

モナーク号襲撃

何らかの理由により、サラザールは年月を経てこの惨状を引き起こした若き海賊の名前がジャック・スパロウであること、サラザールの勢力を破ったことで"スパロウ"の名前を名乗る資格を得たことを知った。サラザールはまたスパロウが不思議なコンパスを所持していたこと、スパロウがこの魔法の物体を裏切れば<サイレント・メアリー号>と乗組員たちが三角海域から解放されることも知った。

Salazar fights

イギリス兵の虐殺

魔の三角海域に閉じ込められてから数十年後、サラザールと部下たちは海賊旗を掲げるオランダのバーク船が洞窟に進入してきたにこと気がついた。サラザールと部下たちは素早い攻撃で海賊を皆殺しにするとわずかな残骸を残して船を海底に沈めた。数分後、海賊船を追跡していたイギリス海軍の戦艦<モナーク号>が現れる。<モナーク号>が停止するとサラザールの部下たちは水の上を走って船に乗り込み奇襲攻撃を仕掛けた。ゴーストとしての力によりスペイン人たちは容易くイギリス兵を殺し回ることができ、サラザール自身もレイピアを手に船乗りたちを切り裂いた。最終的にサラザールは部下に押さえられていたイギリス海軍の指揮者、キャプテントムズと顔を合わせた。トムズに正体を訊かれたサラザールは彼の首をつかんで""と答え、首を折って死体を火の中に投げ込んだ。

Salazar DMTNT

ヘンリーとサラザールの対面

戦いはすぐに終わったが、甲板下からの物音がサラザールの注意を惹いた。下に降りたサラザールと数十人に及ぶ部下たちは営巣に閉じ込められている若き船乗りヘンリーと年老いた海賊を見つけた。床に散らばる手配書に気づいたサラザールは部下のひとりが年老いた海賊を格子越しに刺して殺す中、そのうちの一枚を突き刺して目の前にかざした。手配書に命を奪った張本人であるジャック・スパロウの顔を見たサラザールはヘンリーにこの海賊を知っているかと尋ねる。ヘンリーがスパロウの名前しか知らないと答えるとサラザールと部下たちは格子をすり抜けて彼を驚かせた。復讐の話を広めるためにひとりだけ生かしておこうと決めたサラザールはスパロウに死が迫っていることを伝言するようヘンリーに頼んだ。そしてサラザールと乗組員たちは<モナーク号>を後に残して船に戻った。

魔の三角海域からの脱出

「死者の軍団があんたを狙ってる」
ジャック・スパロウに対してヘンリー[出典]
Salazar is happpy

数十年ぶりに太陽の光を感じるサラザール

<モナーク号>襲撃ののち、サラザールと部下たちは<サイレント・メアリー号>を覆う巨大な岩の天井が崩れていくのを目にした。三角海域が沈んでいくのを見たサラザールはジャック・スパロウがコンパスを手放したことを悟った。三角海域を囲む暗雲は消え去りサラザールは数十年ぶりに太陽の光を浴びた。やがて三角海域の最後の岩が沈むと<サイレント・メアリー号>を囲むものはただの海だけになった。船はもはや残骸でしかなかったが魔法により浮かんでいた。スペイン人たちは解放を喜び合い、暖かさと光を感じたサラザールは船尾甲板に立って目を閉じ腕を広げた。しかしサラザールが任務を継続して世界中の海賊を殺すことに決めると穏やかなひとときも終わりを迎えた。最初の標的はジャック・スパロウだった。

海賊狩り再び

「さあ 海賊狩りだ」
―アルマンド・サラザール[出典]

三角海域を出たサラザールとその部下たちは昔の海賊撲滅運動を再開した。やがて、<サイレント・メアリー号>は10隻の船からなる艦隊を指揮する悪名高いヘクター・バルボッサ赤旗を掲げた海賊船と遭遇する。サラザールと部下たちは<サイレント・メアリー号>で襲いかかり海賊の船を海底へと送り込んだ。

Silent Mary Queen Anne's Revenge 2

<アン女王の復讐号>に襲いかかる<サイレント・メアリー号>

それから数時間、サラザールたちはさらに数隻の海賊船を破壊し乗組員を虐殺したが、死者が海を支配したことを伝えるために常にひとりだけ生き証人を残していた。翌朝、<サイレント・メアリー号>はバルボッサの旗艦<アン女王の復讐号>と対峙する。レサロがこの海賊船について報告するとサラザールはこの方向へ舵を切り、海賊船の船首に向かって真っ直ぐ進ませていった。<サイレント・メアリー号>が<復讐号>に近づくとサラザールは魔法のパワーを使って船首を上に折り曲げ海賊船の目の前で船殻を巨大な怪物の喉のように開いて海賊たちを恐怖の底に陥れた。サラザールが海賊船を破壊しようとしたまさにそのとき、船首楼にいた男が、彼の名前を叫びジャック・スパロウを探していることを知っていると話した。

Barbossa Salazar deal

バルボッサジャック・スパロウの居場所を尋ねるサラザール

サラザールは攻撃を中断し<復讐号>に飛び移るとその男、バルボッサの背後に着地した。恐れをなしたキャプテンはゆっくりと振り向き獰猛なスペインの海賊ハンターを目に捉えた。勇気を取り戻して名前を名乗ったバルボッサは歓迎の意思があると話したがサラザールは笑い飛ばし剣で床を一度突くたびにバルボッサの部下がひとり死ぬと脅しをかけた。サラザールが一度床を突くとバルボッサの部下がひとり無残にも殺された。サラザールは微笑みを浮かべながらバルボッサに早く話すように命令し剣で2度床を突いてスパロウの居場所を尋ねた。スパロウがポセイドンの槍を探していると聞いたサラザールはどのような宝であっても彼と部下たちの怒りを止めることは出来ないと答えた。バルボッサは夜明けまでにスパロウを発見すると約束しそれができなければ命で償うと提案する。サラザールはこの条件を飲んでさらに数回剣で船の床を突いたのであった。

スパロウ追跡

「今度はお前が死ぬ番だ」
―アルマンド・サラザール[出典]

翌日、未だにスパロウの痕跡を見透けられないバルボッサにうんざりしたサラザールはもう殺すと脅したが、彼は日が昇るまでが期限だとして約束は破っていないと説明した。苛立ったサラザールは初めてスパロウと遭遇したときの話をバルボッサに聞かせ彼を殺そうとする理由を理解させた。彼らはついにジャックとヘンリー、天文学者カリーナ・スミスが乗った<ダイイング・ガル号>を発見した。

Spanish ghosts attack

水上を走ってスパロウを追うスペイン人たち

スミスが無名の島に向かって泳ぎ始めるとヘンリーも後に続こうとしたが、サラザールはジャックとヘンリーを殺すためにゴーストサメを解き放った。しばらく待ってからサラザールと乗組員たちが海に飛び降り水上を猛然と走り出した。しかしスパロウはサメの一匹にボートを曳かせすでに泳ぎ始めていたヘンリーをつかんで安全な島の陸地にたどり着いた。サラザールと部下たちは魔法の拘束により陸地に足を踏み入れることが出来なかった。

ただ怒りに駆られたサラザールは<サイレント・メアリー号>に戻るとバルボッサと残りの乗組員を逆さづりにして処刑を始めた。するとバルボッサはサラザールの代わりに島に上陸して彼の"スズメ(スパロウ)"を捕まえてくると提案した。サラザールはこれを受け入れバルボッサを陸に向かわせた。しかし裏切ったバルボッサは、かつて黒ひげ魔力によってビンに閉じ込められてしまった<ブラックパール号>のビンを破壊して海に投げ込み、もとの大きさに戻して他のものたちと逃げ出してしまった。

Salazar at the helm 2

<サイレント・メアリー号>を操るサラザール

バルボッサがスミスが自分の娘だと知ってからまもなく、<エセックス号>を攻撃してスカーフィールド大尉乗組員を殺害したサラザールと部下たちが<サイレント・メアリー号>で追跡に現れた。サラザールと部下たちは<ブラックパール号>への攻撃を開始する。戦闘中、サラザールは両方の船の舷側砲を飛び回ってスパロウを追い回したが、最後にジャックが<ブラックパール号>に戻りサラザールがヘンリーを捕虜として誘拐することで戦いは終了した。ヘンリーは<サイレント・メアリー号>の帆柱に縛り付けられた。

槍をめぐる戦い

スパロウ、スミス、バルボッサが黒い岩の島にたどり着いて海の下にあるポセイドンの墓ポセイドンの槍を見つける中、サラザールは、槍にすべての呪いを解く魔力があり後でもとの状態に戻れることを知りながら、ヘンリー・ターナーの体に憑依した。ヘンリーの体を支配して陸地に立てるようになったサラザールはスパロウとスミスのところまでおりて戦闘を始めた。<サイレント・メアリー号>の乗組員たちは両脇に分かれた海水の壁の中からこれを見守っていた。

Piratas del Caribe La Venganza de Salazar - Creando a Salazar 1000

ポセイドンの槍を持つサラザール

槍をつかんでヘンリーの体から抜け出したサラザールはこの武器を使ってスパロウを水の中に投げ飛ばし、レサロ大尉が彼をつかんで溺れさせようとした。スパロウをいたぶったサラザールは槍で彼の胸を刺し、さらに深く突き抜こうと試みた。槍が刺したのはジャケットに入っていたであると気づいたジャックはヘンリーに槍を破壊するよう指示した。剣をつかんだヘンリーは槍に突撃し半分に折って破壊し、海におけるすべての呪いを解消した。

サラザールは空気を求めて岩で体を休めた。乗組員たちはもはや水中では呼吸が出来ず波を越えて陸地に入った。レサロ大尉が人間に戻ったのを見たサラザールは数十年ぶりにもとの状態に戻った自分の顔を触った。手を見て空を仰いだサラザールは彼と乗組員たちが普通の人間に戻ったことに笑い声を上げた。

左右に分かれていた水の壁が徐々に狭くなってきたため喜びは長くは続かなかった。バルボッサが<ブラックパール号>の錨に掴まって降下してくるとサラザールは<サイレント・メアリー号>の乗組員たちと鎖に向かって走った。ジャック、ヘンリー、カリーナが鎖を掴み、サラザールとふたりの乗組員も続いた。レサロ大尉はキャプテンを呼んだが波に飲み込まれて姿を消した。人間に戻っただけでは飽き足らずまだ殺しを渇望していたサラザールは鎖を昇りながら剣を引き抜きカリーナに狙いを定めた。

サラザールが娘を狙っていることに気づいたバルボッサが彼女にしっかりと掴まっているように指示すると、ジャックが"ヘクター"と名前を呼んで剣を落とした。鎖を離したバルボッサは落下しながら剣を手にした。サラザールは落下してきたバルボッサに背中を斬られ手を離して下にいたふたりの乗組員を道連れに落下した。サラザールは落下しながら恐怖の叫び声を上げたが錨の一番下で顔を打って沈黙した。彼の体は波の中に消え、七つの海におけるエル・マタドール・デル・マールの支配は永遠の終わりを迎えたのであった。

舞台裏

  • 最後の海賊』でサラザールを演じるのはハビエル・バルデムである。バルデムは『生命の泉』で黒ひげ役の候補に挙がっていたがイアン・マクシェーンが演じた。
  • ジェフリー・ラッシュによればサラザールと乗組員たちは25年間魔の三角海域に閉じ込められていたという。つまり魔の三角海域の戦いは1726年ごろという計算になる。しかしこれは他の設定を通して成立したタイムラインでは魔の三角海域の戦いは1700年代であるとされ、この発言と矛盾する。

登場作品

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